オプションパーツ関連 造船重機技術資料

 1.小惑星資源収集艦(在来型)
(1)概要
 火星公転軌道~木星公転軌道間の小惑星帯に進出し隕石資源を調査・収集する活動のため建造された大型艦。
艦体形状は円筒形で、先頭部分に艦体よりやや小さい直径のヘッドフィギュアが付いている。
軽量化のため、艦内気圧が0.2気圧しかない、通常の食料を搭載するための設備や便所がない、放射線防護が緩いといった人間の長期搭乗に適さない設計で、実用上もサイボーグ専用艦である。
艦名は太平洋にある離島名がつけられる習慣となっている。
外国に対しては、ロボット制御の無人探査船として発表されている。
外観(図1)から、外国では”こけし船””スペースディルド”などと俗称される。
見た目のほか、いくら大型でも無人では効率的な資源収集は出来ないぞ、所詮玩具だという嘲りの意も含まれるが、宙軍当局は機密保持上むしろ歓迎している。
 (2)操縦系統
 艦体全体が一種のリモートボディであり、操舵員が全身の神経トランスポンダを艦橋の無線LAN経由で接続して繰艦する。
このため、サイボーグか神経トランスポンダを埋め込んだ人間でなければ操縦できない。
ヘッドフィギュアは巨大なリモートボディの頭部となっており、ヘッドフィギュアの視点から外界が見えるようになっている。
また、ヘッドフィギュアの口腔部が主エアロック、舌が乗降用可動橋となっている。
艦底にヴァギナルハッチと呼ばれる開口部があり、係留装置の連結機構と推進剤等の補給口を兼ねている。
係留作業時には操舵員が強い性感を受けるため、係留作業は最先任操舵員の特権業務となっている。
 (3)動力
 主な動力は軽水炉による原子力発電によって賄っている。乗員が常駐する前部との間に大量の水を詰めた推進剤タンクが並んでいることと、乗員が全てサイボーグである運用前提から遮蔽は非常に緩い。また、地上と異なり放射性ガスの排気が可能であるため、炉心の気密も緩い。このため、出力の割に軽量となっている。
非常用に小容量の太陽電池も搭載する。
 (4)推進装置
 主推進装置は水を推進剤とするが航続距離重視のため熱方式でなく、高温水蒸気を高圧放電によって電離させ電界で平均速度3000Km毎秒に加速して放出するイオンロケットである。
イオン化率が低く投入エネルギーの割に推進力が劣る水を推進剤とする理由は、宇宙空間における現地調達容易性のためである。
補助推進装置は係留操作や方向転換のため16基搭載されている。加圧した水素ガスと酸素ガスを使用する燃焼式であるが大きな燃料タンクはなく、水を補給して電気分解し、約10秒分を個別のリザーバに溜めている。
姿勢・進路の制御は補助推進装置と中央部に設置された大型ジャイロを併用して行う。
 (5)武装
 戦闘が主任務でないため固定武装はないが、倉庫内に航路障害物除去用のミサイルを積んでおり、使用するときは口腔エアロックから直接射出するか、搭載重機により搬出して空中発射する。
その他、採鉱作業時の大規模な発破や地上および衛星軌道の施設に被害を及ぼすおそれのある大隕石の破壊のため核弾頭を積載するが、環境保護を建前とする憲法との関係から存在は秘匿されている。
 (6)居住・生産施設(重力区画:図3)と艦内生活
 乗員の居住、生存必需品(一次生命維持装置用タブレット、二次生命維持装置用原液)の生産、サイボーグ体メンテナンス、応急の部品製作の施設が、直径15m全長10mの回転ドラム内に設けられている。
 居住用セルは、内寸で間口1m、奥行き2m、高さ2.5mの個室である。上部のシャフトを中心としてドラムに対し前後方向に傾斜し、ドラムの遠心力とメインエンジンの加速圧(出力60%以下で巡航中)を合成した疑似重力に対し床を水平に保つことが出来る。
居住用セルの上部1.8mは私物を置くなど自由に使用できる空間、下部は引き出し状の就寝安全セルとなっている。就寝セルには就寝中にサイボーグ体の異常を監視するモニタ機能とフロンガスで全身を洗浄するクリーニング機能が組み込まれている。
フロンガスを使用するのは、洗浄力が高くパーツを傷めないためである。宇宙では地上のようなオゾン層破壊の問題は生じない。
広さは地上の独房以下、就寝セルの造りが非人間的という不満が一部で言われているが、宇宙船内では貴重なプライバシーが確保されること、しかも排泄の必要もなく身体的苦痛を殆ど感じないサイボーグを対象とすることからは非常に贅沢な施設である。
帝国宙軍の兵員はサイボーグ化適性を最優先して徴兵されるため、諸外国の宇宙飛行士に比べおおむね協調性を欠いており、長期任務をストレス無く実施するにはこのような施設が必要であった。
筋力低下の発生しないサイボーグの居住セルを重力区画に置く理由は、趣味的活動の利便性の他に、脳血管やグリア組織に対する無重力の長期的影響が不明なこともある。
乗員は居住用セルを含む艦内で体内CPUを無線LANによりネット接続することが可能である。艦内ネットは体内CPU種別に対応して公用、私用、身体制御(艦橋内繰艦、艦内外の監視カメラ、VR訓練マシン、各重機操縦の個別ネット)の3系統に分かれ、安全のため互換性のないプロトコルを使用し相互通信は不可能となっている。
公用ネットは艦内指揮・人事サーバー経由で工場衛星、地上基地、宙軍省、宮廷と常時接続され、指揮や人事管理に使用される。
私用ネットは艦内の娯楽サーバーや地上のインターネットと常時接続されているが、艦が地球から遠距離にあって通信帯域が減少すると公用が優先されるため、距離による絶対遅延を上回る著しい伝送遅延が発生する。
また、帝国外とのインターネット通信は国家機密漏洩防止のため強力なファイアウォールシステムによって厳重に検閲されている。
繰艦や機関を担当しない乗員は惑星間航行中は暇なため、手芸や絵画・彫刻制作に没頭したり、検閲をパスする範囲で2チャンネル向けに小説を書く者も多い。
軍が出資する経済特区の決済代行機関を介して海外通販を利用し、帰還時に基地で受け取る事も出来る。
なお、昇進や資格取得に熱心な乗員は非番時も公用ネットによる訓練プログラムをやることが多い。訓練プログラムには、作戦計画や経済戦略などの無線LANでできる2D系と、操縦や整備、医療の実習などVR訓練室でしかできない3D系がある。
 生産系のセルは農産セルと工場セルに分かれている。
農産セルでは、人工太陽灯で農作物を生産する植物タンクにより豚の餌を製造し、豚タンクに収まった遺伝子組み換え豚に与えてタブレットと原液の原料を得る。
工場セルは、原液とタブレットを生産する食品加工セルが2基、サイボーグ体整備セルと部品製作セルが各1基ある。
タブレットは善玉菌が配合され、いわば生きた状態にあるため低温でも保存期限は6ヶ月以内である。
原液は栄養分と呼吸用酸素を合わせた媒体であるため酸化現象が激しく、使用可能(高酸素濃度)状態での保存期限は7日程度である。
但し、酸素封入マイクロカプセルを加える以前の低酸素濃度状態では6ヶ月程度の保存が可能である。
これらの保存期限のため食品加工セルの稼働率は70%を超える。
乗員は宇宙に出る直前にメンテナンスセンターにて宇宙仕様パーツへの換装をかねて入念に整備される。
定期検査は自慰を兼ねてディルド型のアナライザを膣ポートに挿すだけでよく、足の推進剤補給はボンベを持って行けばどこでも出来るので整備セルは使用しない。
このため、作業中の事故による重大損傷でもない限り艦内で体内機器交換を行うことは滅多になく、サイボーグ体整備セルの稼働率は低い。
稼働の殆どが、乗員の気分転換のための頭皮交換・再植毛であり、整備セルと言わずに美容室と呼ぶ兵も多い。
部品製作セルは、サイボーグ体や艦内機器の補修部品が不足したときに応急製作するほか、乗員の趣味的工作にも使用される。
但し、メインエンジンや発電機に使われる大型部品は扱えないため、それらの重大故障では自給補修できず救援艦が派遣される。
帰路では収集資源から抽出した貴金属の加工などに使われるため稼働率が80%を超えることもある。

 要目
・全長 80m(胴体部70m)
・直径 16.5m
・自重 1000t
・推進剤搭載量 2000t
・貨物および人員の最大積載量 200t
−−標準配分:人員20t(30名+所要物資)、重機72t(6機+補給資材)、武器等8t、その他100t
・発電機出力 30MW(燃料棒45本使用)
・補助太陽電池出力 10KW(太陽から1天文単位の軌道=地球周辺において)
・メインエンジン推力 30MN
・最大加速度 0.01Km/s/s(満載時)
・推進剤消費率 100g/s(最大加速時)

 皇紀95年時点の就役艦名
”はちじょう” ”さいぱん” ”きすか” ”だいとう”

 ↓図1 外観。

 ↓図2 断面。
 ↓図3 重力区画。

 2.重機(90式)
 宇宙空間や低重力天体上における土木建設作業に適した乗用機械。
荷物かごに武器類を積載すれば白兵戦向けの戦闘機械として使用することも可能だが、急加速よりも長時間行動を優先した推進器を使用しているため戦闘機的用途には向かない。
一種のリモートボディであり、胴体部分に搭乗したサイボーグ搭乗員が全身の神経トランスポンダを機内無線LAN接続して操縦する。
マニピュレータと推進器搭載部が手足に準じた関節構造を有するため、宇宙遊泳に長けた搭乗員ならば、大きさにさえ慣れれば大型宇宙艦よりも操縦は容易。
任務に応じて、土木作業用ブレード、発破用爆薬、塵サンプル収集用吸着網、ステルス盾、武器類、予備推進剤タンクなどを背面の貨物籠に収めて出動し、マニピュレータで掴んで使用する。
電源はプルトニウム電池2基、推進方式は艦と同様だが安全のためイオン加速器の電圧が低く、推力の割に推進剤消費率が大きい。但し、サイボーグパーツの航宙足よりは約5倍効率がよい。
 要目
・自重 3t
・貨物の最大積載量 0.5t
・人員の最大積載量 2
・推進剤搭載量 0.5t × 2
・プルトニウム電池出力 60KW
・最大加速度 0.02Km/s/s(満載時)
・推進剤消費率 20g/s(最大加速時)

 ↓外観想像図。

 3.静止軌道工場衛星
 収集した隕石から掘り出した物質を、宙軍艦向け補給物資やサイボーグパーツ、輸出用義肢、輸出用義肢応用ロボット、無重力利用の薬品・素材類に加工する拠点であり、宇宙艦の建造・補修ドック、打ち上げロケットの解体リサイクル施設、宇宙艦と地上降下用カプセルの乗り換え拠点をも兼ねる超大型の静止衛星。
前任の小規模宇宙工場衛星によって生産された部材と打ち上げロケットのリサイクル素材を用い、10年の歳月をかけて建設された。
小惑星帯から時間をかけて移動し近傍に軌道維持された隕石の鉱山とは南極側の塔から発着するゴンドラで結ばれ、掘り出した素材が搬入される。
動力の2/3は北極側に設置された太陽光蒸気発電機で賄われ、補助として艦載用軽水炉型原子力発電機1基が稼働しているが対外的には全て太陽光使用とされる。
外国に対しては、無人ロボット工場と発表されている。
このため、人員の降下は製品出荷用カプセルに紛れ、輸出用義肢応用ロボット類を装う。
輸出製品のプロモーション映像には、足の動作に障害があってアシモ歩きしかできないサイボーグが鉄面皮型顔面外装を装着し、作業アンドロイドとして登場する。

 要目
・自重 50万t
・人員 1500(鉱山要員900含む、3交代のため同時稼働数は500。地上休養者除く)
・推進剤保管量 5万t
・太陽光蒸気発電機出力 60MW
・原子力発電機出力 30MW
・軌道維持エンジン最大加速度 0.00003Km/s/s
・推進剤生産能力 100t/日
・輸出用義肢生産能力 30腕+30脚/日
・生命維持原液生産能力 5t/日
・無重力配向磁石鋼生産能力 100Kg/日
・隕鉄高炉生産能力 20t/日
・リサイクル炉処理能力 25t/日
・降下カプセル生産能力 4機/日
・貴金属類抽出能力 2Kg/日
・宇宙艦入港可能数 8
・宇宙艦新造所要期間 標準3年

 ↓外観想像図。 ↓内部想像図。
@大集光鏡 A光軸制御ジャイロ B太陽熱ボイラー C蒸気タービン D低重力特殊栽培区画 E通常栽培区画 F貯水槽 G養豚・生命維持薬製造区画 H居住区 I無重力冶金炉 J軌道維持エンジン K有重力冶金炉 L高炉 M原子炉 N精密機械工業区画 O溶氷炉 P出荷カプセル組み立て射出区画 Q補給・造機施設 Rベイ S素材搬入エアロック

 4.新型資源収集艦
 皇紀95年就役の”みくら”から採用された新設計の資源収集艦。
外惑星軌道にある小惑星資源の調査を行うため、胴体部の直径を拡大して強度と積載能力を増強、メインエンジン出力を従来型の1.8倍とした。
直径拡大に伴い、司令部室など旗艦施設を搭載、重力区画も大型化したため居住性も改善され規定一杯の4年間の任務が可能となっている。
補助推進器が従来型と変わらないため係留作業はやや難しくなった。
冥王星探査作戦時には、乗員を8名削減して重量を節約、16基の外付け大型固体ロケットブースターを装備して発進時・到着時の急加速を行い、所要時間を行動可能期間内に収めた。
往路は発進時8本使用、冥王星接近時4本使用で2年4ヶ月で到達、復路は発進時のみ4本使用で1年6ヶ月で到達している。

 要目
・全長 85m(胴体部73m)
・直径 19m
・自重 1400t
・推進剤搭載量 3400t
・貨物および人員の最大積載量 280t
−−標準配分:人員26t(32名+所要物資)、重機96t(8機+補給資材)、武器等8t、その他150t
・発電機出力 60MW(燃料棒90本使用)
・補助太陽電池出力 11KW(太陽から1天文単位の軌道=地球周辺において)
・メインエンジン推力 54MN
・最大加速度 0.01125Km/s/s(満載時)
・推進剤消費率 180g/s(最大加速時)

 大型固体ロケットブースター要目(1基あたり)
・全長 50m
・直径 3m
・自重 150t
・推力 16MN
・燃焼時間 180秒
・地球軌道離脱時加速度 0.0252Km/s/s (=2.57g)

 ↓新造時外観想像図。
 ↓断面想像図。
 ↓冥王星探検発進時外観想像図。 ↓冥王星への軌道 ↓冥王星接近時の航行風景


 5.隕石移動装置と隕石鉱山
 資源収集艦による調査の結果有用な物質が多いと判明した隕石は、隕石移動装置を設置されて地球軌道まで発送される。
水分が多い隕石の一部は火星秘密基地付近の決められたクレーターに落下させる。落下のエネルギーによって融解し池を形成、基地の水源とする(アイスインパクト計画)。
隕石移動装置は原子炉を熱源とする蒸気機関によって底部の採掘ドリルを回転させて隕石から氷を採取、蒸気機関の余熱で融解して推進剤を自給する。
長期間の無人運転を行うので保守不要とすべきことと、自給する不純物が多い推進剤を使用することからイオン推進でなく高温蒸気噴射推進である。
資源収集艦は本装置を数機分解して持っていく。微小惑星級の大隕石を輸送するときは複数設置する。
有用成分が多いが大きすぎて移動しにくい隕石は、核弾頭による発破で移動可能な大きさまで砕く。この作業は外国に核の使用を察知されないよう、地球に対し太陽を挟んだ反対側で行う。
また、貴金属の含有率が高い隕石を見つけた場合は、なるべく現地で砕いて艦で持ち帰る。
 地球軌道に到着した隕石は適当な大きさに固められて静止軌道工場衛星から約20Kmずつの安全距離を置いて軌道維持される。
この状態になった隕石の固まりは隕石鉱山と呼ばれ、百名前後(1サイト当たり同時稼働数)のサイボーグ兵が3交代で資源発掘を行い、ゴンドラで工場衛星に輸送する。
最も多く採取される物質は水で、宇宙艦の推進剤、製品出荷用大気圏突入カプセルのシールド、発電用タービンおよび農業用水に使用される。電気分解により呼吸用酸素とロケット燃料にも加工される。
水に次いで多く採取される物質は鉄で、宇宙艦や重機、ロボットの構造材に使用される。地上からの打ち上げコストがかからず、真空中では錆びないため、構造材には軽金属より入手容易な鉄が多用される。
3番目に多く採取される物質は、珪素でガラスやセラミック、半導体として強度の要求が緩い製品の筐体や電子部品に使用される。
4番目はチタンでサイボーグパーツに多用される。
 ↓想像図。

 6.M55ロケット
 皇紀55年に開発された打ち上げ用の2段式大型固体ロケット。
 1段目は高度約40kmで分離後パラシュートで回収し再使用、2段目は上部側面から噴射するアポジモーター一体型でペイロードとともに静止軌道に上がり工場衛星にてリサイクル素材となるデブリレス方式を採用している。
静止衛星軌道への打ち上げ能力は純粋ペイロード2.5トン程度と小さいが、リサイクル資材となる分を有効質量と見なせば約25トンと非常に大きい。
補修やリサイクルの容易性とコスト低減を重視したため複合材は使用せず筐体の大部分が高張力鋼製である。
誘導方式は1段目が地上からの電波誘導、2段目はGPSと軌道上の発光標識に基づき体内CPUのアシストでサイボーグ乗員が操縦する手動となっており、高価な慣性誘導装置を搭載していない。
貨物のみを打ち上げるときは、遠隔操縦でほぼ静止軌道に達したところで衛星工場から迎えに出た回収作業員が乗り込み操縦して持ち帰る。
入港時の精密操作はロケットを使わずロープで引き込むことで安全性を確保している。
1段目点火直後は、推力の他に発射台側のリニアカタパルトが5000KNの力で引っ張り上げることで早期に高度を上げ、緊急時に発射台の被害を回避するとともに乗員の脱出を可能とする。
その代わり、発射時に乗員が受ける重力は5.6gと凄まじく、振動の大きい固体燃料方式と相まって、全身サイボーグでなければ到底耐えられない乗り心地となっている。
当然宙軍兵の評判は芳しくないが、安全性だけは高いことから貧乏国にある人口過密都市の通勤電車よりはましなどと言われている。
 リニアカタパルトの機上子は工場衛星で生産され、射出用として降下カプセルに搭載された物がリユースされている。
近年は打ち上げ物資に比べ降下物資が大幅に増加したため地上で余っており、地下鉄の駆動に転用されている。
 工場衛星で回収した2段目からアポジモーター部を外して燃料を再装填した物が冥王星探検時にブースターとして使用された。
再装填用の燃料は農産ブロックの廃棄物から変換された火薬を原料として工場衛星内で製造された。
失敗時の地上被害を考慮しなくて済むため、安全性より推力優先の組成とされ、推力が倍増している。

 要目
全長 148m(1段目36m、2段目60m、フェアリング8m)
直径 1段目4.5m、2段目3m
自重 1段目260t、2段目180t(燃料込み、2段目はアポジモーター部を含む)
推力 1段目20000KN、2段目8000KN(アポジモーター部40KN)
燃焼時間 1段目50秒 2段目180秒(アポジモーター部1200秒)
 ↓想像図。

 7.100式迎撃艇・インターセプター
 皇紀100年に飛行開始した軌道警備用小型宇宙艇。
 外国による工場衛星へのミサイル攻撃の阻止を主任務とし、行動時間よりも急加速・急減速による機動力を重視した機体である。
両翼に各4基装備した急加速用の化学エンジンは待機中も燃料を入れっ放すため液体水素の使用を避け液化ブタンを用いる。
化学ロケットだけでは行動時間が極度に短くなるため、巡航用に重機の片足と同じエンジンを半数の1基だけ搭載する。
重機のような作業アームは装備せず工事能力はないが、静止軌道と低軌道を素早く行き来できるためトロール装備を用いたデブリ除去にも使用される。
主武装は粘着焼夷弾頭ミサイルで、光学ホーミングにより標的に衝突すると粘着材で取り付いてからマグネシウムと硝酸の反応で高熱を発することにより極力破片を発生させずに標的の制御装置を破壊する。
副武装は70ワットのエキシマレーザーで標的に穴を開け故障を引き起こして飛行を阻止する。
 操縦系は資源収集艦や重機と同じくリモートボディ式で、姿勢制御ジャイロが首、巡航エンジンが足、両翼の化学エンジンが腕の動きに対応しており、艦よりは扱いやすい。
但し、両足が1本に合わさって肩が1軸でしか回らない感覚となるため準人型構造の重機より違和感が大きい。
化学ロケット使用時の加速圧が4g強と大きく燃料残量を常に気にすべきこと、重力や上層大気摩擦の影響を受ける低軌道での行動に使うこともあり、戦力化には相当の熟練を要する。
ミサイルの標的ロックオン装置とエキシマレーザー光源は両眼に対応した外部カメラに組み込まれ、アイビームと全く同じ操作で使用できる。
 要目
・自重 4t(固定武装含む、推進剤除く)
・乗員数 通常1、補助席あり
・プルトニウム電池出力 90Kw
・巡航エンジン加速力 0.0066Km/s/s
・巡航エンジン推進剤搭載量 0.5t
・巡航エンジン推進剤消費率 10g/s(最大加速時)
・化学エンジン加速力 0.04Km/s/s
・化学エンジン推進剤搭載量 1t(液体ブタン0.3t、液体酸素0.7t)
・化学エンジン推進剤消費率 2000g/s(最大加速時)
・粘着焼夷弾頭ミサイル搭載数 4
・エキシマレーザー台数 2
・トロールネット展開装置台数 左右各1
 ↓想像図。

 8.降下カプセル
 静止軌道工場衛星から貨物を降ろすために使われる大型の大気圏突入カプセル。
打ち上げロケット2段目の筐体をリサイクルしたり、隕石から抽出して得た鉄を素材として工場衛星で製造され、片道運用する消耗品。
コストダウンと素材リサイクルの容易さを最優先したため極めて原始的な造りとなっている。
対外的には貨物用とされているが、実際は紛れて地上で休暇に入るサイボーグの降下に使用しており、有人降下時は手動操縦が可能。
また皇族・貴族の降下用として、ごく一部の機体は乗用の内装で製造される。
耐熱シールドとして隕石から抽出した水を凍らせた氷を使用する。貨物搭載完了後に両側から被せ、液体窒素で冷却して接合している。
大気圏突入までの軌道は基本的に工場衛星からリニアカタパルト(レールガン)により打ち出す進路で決定する。
有人飛行時は、ジャイロで姿勢を調整し、氷に開けた小穴から底面のバーニアを噴射して突入進路を微調整できる。
バーニア用の小穴は大気圏突入寸前に冷水を注入して塞ぐ。
減速が済んだところで薄く残っている氷は強めのバーニア噴射で吹き飛ばし、着陸地点に向けて進路を微調整、パラシュートを出して着陸する。
無人降下時は、最終段階の操縦を地上から遠隔操作する。
進路調整がうまくいかず、海上に降下したときはバルーンを出して膨らませ、巨大なブイとなって回収を待つ。
 要目
・自重 10t
・直径 9m
・高さ 9m
・上層デッキ床面内径 7m
・下層デッキ床面内径 8m
・デッキ高さ 2.5m
・最大積載重量 30t

 ↓想像図。

 9.2式降下艇
 冥王星探検計画に向けて開発された降下艇。
小惑星より重力が大きい冥王星や外惑星の大衛星に降下するため、重機用電源+推進器を組み込んだ足が4本設けられている。
垂直上昇・歩行用の4足は、極低温の大地に接地したとき凍結しないよう足首相当の関節が削減され、断熱セラミック製の接地部となっている。
リモートボディとしては4足歩行形態となったことと足関節の欠如により、重機より操縦訓練が難しくなった。
極低温環境における凍結対策のため、胴体後部に余分の電源+推進器が付いており、ホバリング状態からの前進はし易い。
後部推進器は重機の足1本をそのまま流用しているが、四肢の神経に接続できないため胴の運動神経で制御する。
凍結防止ヒーターの厚みが大きいため、胴体径の割に推進剤搭載量は少ない。
腕はなく、背面の貨物籠前方にBCI制御のクレーンを装備する。
貨物籠後方に中型パラボラアンテナが搭載され、強力な電源とあいまって冥王星から地球に直接通信する能力がある。
腕がないため武器は持てないが、氷掘削用として両眼対応の外部カメラは迎撃艇と同じエキシマレーザー内蔵型となっている。
 要目
・自重 4.4t
・貨物の最大積載量 0.8t
・人員の最大積載量 3
・推進剤搭載量 0.8t
・プルトニウム電池出力 150KW
・最大加速度 0.03Km/s/s(満載時・垂直上昇で後部推進器使用せず)
・推進剤消費率 40g/s(垂直上昇の最大加速時・後部推進器使用せず)

 ↓外観想像図。

******** ↓”オプションパーツ”各設定資料へのリンク ********
サイボーグ部品表−−宇宙艦、重機、衛星工場の設定資料−−足の設定資料−−生命維持装置の設定資料−−サイボーグ製造工程表−−技術情報リンク集−−年表
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