この単発ネタは、市田ゆたか様の幸せなメイドロボへの感想のようなものです。

Y救出作戦

某社義体開発本部
サポート課長:「お忙しいところ済みません。義体開発本部長は御在席でしょうか?。折り入ってご相談が。」
F義開本部長:「おお、君か。珍しいな。もしかしたら、あいつがまた何かしでかしたのかな?。」
サポート課長:「えっ、もうご存知で?。」
F義開本部長:「いや、何も聞いていないが、よくあることだから聞いてみただけだ。やっぱりそうなのか。」
サポート課長:「もう3日も無断欠勤でして。出張から直帰したきり、出勤していません。」
F義開本部長:「遅刻ならいつものことだろうが、あの小心者が無断欠勤とは変だな。故障救援信号は?。」
サポート課長:「出ていません。位置情報を取りましたが、帰宅してから全く動いていません。」
F義開本部長:「故障でないとすると、鬱にでもなったか。最近大きな失敗はあったのかな?。」
サポート課長:「小さなミスはいつもの通りですが、重大な失敗はしていません。変わった様子はなかったです。」
F義開本部長:「そうか。もしも前例が無い急性の鬱なんか出たら、脳改造を避ける我々の方式が問題になる。
君も知っての通り、それは私自身の問題でもある。こちらで調査してみるから、2〜3日待ってくれ。」
サポート課長:「お願いします。何かお手伝いできることはありますか?。」
F義開本部長:「とりあえず取得済みの通信記録を回しておいてくれ給え。とりあえずそれだけでいい。」

義開本部員:「詳細な分析を行いましたが、遠隔モニタログのシーケンス自体は正常としか思えません。」
F義開本部長:「自体は、ということは何か気付いたことがあるのか?。」
義開本部員:「通信のタイミングです。ターンアラウンドタイムが、過去の在宅時データと明らかに違っています。
通信ソフトがウィルス感染でもすればタイミングが変わるという事もあるのかなぁ。」
F義開本部長:「それは有り得ないぞ。義体保安通信は安全のためプロトコルがマスクROM化されているだろ。」
義開本部員:「そうでした。滅多にいじらないブラックボックス部だから失念していました。」
F義開本部長:「ターンアラウンドが変わる可能性は回線側で何か起きているとしか考えられないぞ。
携帯電話会社に接続ログの調査を依頼し給え。それから、自宅に誰か行かせて確認させよう。」

同社緊急役員会議
社長:「全員揃ったな。義開本部長、簡潔に事実関係を報告してくれ。」
F義開本部長:「義体社員の行方不明事件ですが、監禁されている疑いが濃厚となりました。
発覚が遅れたのは、携帯電話網がハッキングされ位置情報が書き換えられていたせいです。
そのため訪問先に監禁されていたのに、データ上は自宅にいるよう見えていたのです。
問題は監禁されているらしき場所でして、・・・」
営業担当常務:「むむっ、ここは!、政界、特に防衛族に大きな力を持つというあの方ではないか。
この件を表沙汰にしたら、防衛省向け義体からの撤退を覚悟しなければならないかもしれんな。」
社長:「それは困る。それに、警察に届けても握りつぶされるかも知れないぞ。弱ったな。
天下り役員の神くん、我が社はこんなときのために君を採用したのだが、何か良い手はないのかな?。」
神:「私が口利きできるのは義体運用現場関係だけなんです。政治がらみで睨まれるとそれも難しくなってしまいますよ。」
営業担当常務:「例の義体社員には身寄りもいませんし、このさい、気付かなかったことにしておきませんか。
ただでさえ赤字の全身義体部門で大口顧客を失ったら、部門自体の存続が難しくなります。」
F義開本部長:「常務、あなた何を言っているか判っているのですか?。」
営業担当常務:「義開本部長のお気持ちを察しないわけでは、しかし社員を皆路頭に迷わせるわけにも行かないでしょう。」
F義開本部長:「要するに、警察に届けないで解決できれば良いんでしょ。それなら、この際もっと怖い人に頼めばいい。」
神:「義開本部長のコネといったら、あの女しか・・・、それはそれであとが厄介になるかも。」
F義開本部長:「その尻ぬぐいの根回しなら、あなたでもできるでしょう。」
社長:「そうだな、それしか方法は無かろう。神くん、後始末はよろしく頼むよ。」

防衛省内某所
A大尉:「あら、本部長さん珍しいわね。新しい組み込み武器でも試して欲しいのかな?。
まあ、他ならぬあなたの頼みならなるべく聞いてあげたいけど、水着姿じゃないと使えない武器とかあんまり趣味に走らないで欲しいわね。
泳げもしない身で水着がいかに無意味か、あなただって身にしみているはずなのにねぇ。」
F義開本部長:「先日は失礼しました。今日はそんな軽い話ではありませんよ。実は・・・。」
A大尉:「むむむ、許さん。あの狸親父め、サイボーグを甘く見たらどんな目に遭うか、思い知らせてやる。」
F義開本部長:「腹立たしい気持ちは私も一緒です。ただ、どうか後始末が大変にならないようにお願いしますよ。」
A大尉:「分かってるって。サラリーマンは大変ねぇ。なるべく穏便に、但し徹底的に懲らしめてやれば良い訳ね。
それならこの手だな。用意して欲しいものがあるんだけど。たいがい在庫はあるわよね?。」
F義開本部長:「社長から全権委任されてきましたから、会社が潰れるような高価品でなければなんなりと。」
A大尉:「まず、CS20のパーツ一体分丸ごとね。外観は・・・のデータのデッドコピーで。
それからメンテナンス訓練用の動物脳を搭載した脳ケース1台、いや一匹と言わなきゃいけないわね。」
F義開本部長:「開発用の手持ちだと豚しかありませんが、それでよろしいですか?。」
A大尉:「できれば獰猛なのが良いな。豚だったら、なるべく元・種豚が良いわ。」
F義開本部長:「何をするか想像に難くありませんが、動物脳の義体を放したら暴れてすぐに判ってしまいませんか?。」
A大尉:「もちろんサポコンのプログラムに細工するのよ。狸親父のところからダウンロードしたやつを元にしてね。」
F義開本部長:「なるほど、それで生体脳に切り替わった途端・・・、ですか。で、切り戻しは不可能にしておくと。」
A大尉:「けけっ、昔からあのオヤジは気にくわなかったからね。良い機会だわさ。」

以上。
ヤ・・・を罠に落とすのは簡単でしょうが、大尉に知られたら権力者といえどもタダでは済まないでしょう。

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