続・暴走おむつ飛行士−おむつリサ月面へ−

北米連海軍中央病院・精神科閉鎖病棟

人事官:「リサ、起きているか?。面談に来たぞ。」
リサ:「あ、次のISSミッションが決まったの?。今度こそあの小生意気な女の先を越してやるわ。」
人事官:「何を言っているのかね。貴様はおむつを着けて1600kmも暴走したあげく同僚飛行士を拉致しようと襲撃して逮捕されただろ。
とっくにNASAへの出向は解除されているんだ。本来なら海軍からも不名誉除隊の処分が下されるはずだったのだ。
それをうまいこと我々が手を回して無重力に起因する未知の精神病ということで免訴にしてやったのではないか。
いい加減に目を覚まさんか!」
リサ:「アレはあの女の謀略だったのよ。ここにいるべきなのは私じゃない、あの女の方だわ。」
人事官:「ジーザス、会話にならんな。」

別室にて

人事官:「ドクター、ずっとこの調子なのか?。」
精神科医:「薬は全く効きません。これは病気による妄想じゃないですよ。正真正銘の確信ですね。治療余地はないので退院させるしかありません。」
人事官:「う〜む、だがこのまま復帰させたら大問題になるな。でっち上げの病気で免訴になったわけだからな。」
精神科医:「しかし、精神病でない者をここに閉じこめていたらもっと問題になります。私としては退院を命じるほかありません。」
人事官:「そうだ、この際だから例の件に乗せてしまうか。」

再び病棟

人事官:「おいリサ、お前はどうしてもまた宇宙飛行士に復帰したいというのか?。」
リサ:「当然です。私には資格があります。」
人事官:「だが貴様は気がふれてNASAを追われたことになっているのだ。」
リサ:「私は精神病ではありません。裁判で争ってでも復帰します。」
人事官:「そんなことをしたら責任能力があったことになって襲撃事件の免訴が取り消されるから刑務所行きだぞ。」
リサ:「だから事件はあの女の謀略なんです。それも裁判で明らかにします。」
人事官:「お前は現行犯逮捕されているんだ。有利な証拠は何もないではないか。それよりも別の方法を取った方が早いぞ。」
リサ:「復帰出来るなら何でもしますよ。宇宙に出ればあの女のしたことを明かす証拠を掴むのも簡単でしょう。」
人事官:「うむ、NASA復帰となると難しいがJAXSAならすぐに採用されるかもしれん。それでも良いか?。」
リサ:「大東亜ですか?。あそこは自前の有人飛行なんかやっていないじゃないですか。」
人事官:「表向きは月面探査を全て2足歩行ロボットでやることになっているが、実は極秘の有人計画があるのだ。
知っての通りあの国の2足歩行ロボットは単体としてかなり良くできてはいる。
だがあの国は長年プログラマーを非正規雇用で使い捨ててきたツケでろくな人材が居ないから全体を管理するプログラムが上手くできないんだ。
月面に送り込んだ2足歩行ロボットに故障がないにもかかわらず、肝心のエネルギー資源探査がさっぱり進んでいない。
それで困り果てて密かに人間を送り込んでロボットを指揮させる計画を立てているのだ。
計画が頓挫すれば巨額予算の無駄とエネルギー問題で政権交代が起こりプロ市民党政権になってしまうかも知れぬ。
我々の極東軍事戦略上それだけは阻止したい。」
リサ:「だからあそこの月面探査を支援するというのは解ります。しかし、宇宙飛行士ならあの国にも居るでしょう?。」
人事官:「あの国は月面探査ロボットに金をかけすぎたために宇宙飛行士の養成予算が少ないんだ。
数が多いNASAと違って全員が有名人だから居なくなったらすぐマスコミに知れてしまうだろう。
だから秘密裏に宇宙へ出ることは難しい。しかも軍出身者が極端に少ないから秘密保持は殆ど無理だ。
どうだ?。やはり表面上とはいえ敗戦国の黄色い猿のために働くのは気が進まないかな?。」
リサ:「いえ、そういう訳では。しかしロボットに混じって人間が居たらすぐに判ってしまいませんか?。
政争の種になりそうなぐらいだったら、月面探査の映像は公開されるのでしょう?。」
人事官:「いや、その点は大丈夫だ。最近あそこの2足ロボはこんなやつばかりだ。
頭部が人間そっくりだから宇宙服を着た人間と見分けがつきにくいのさ。」
リサ:「なるほど。どうでもいいところに凝りすぎて随分予算を無駄にしているようですね。
でも髪は黒髪ストレートにしなくてはダメかしら。長期滞在中に伸びてきたら困るかも。」
人事官:「ということは行く気になったのだな。髪のことは気にする必要ないぞ。
あの国のオタク趣味も色々だ。金髪フェチの技官が居てもおかしくはないだろう。
それでは取りあえず大東亜駐留艦隊の空母”パパ・ブッシュ”艦戦隊搭乗員として行ってくれ。
逮捕以来飛んでいないし、着艦はさらにブランクが長いだろうからくれぐれも事故には気を付けたまえ。」
リサ:「着艦ぐらい月着陸船に比べればちょろいものです。ご心配なく。」

大東亜・薄着基地上空

リサ:「ふう、月月火水木金金か、名目だけかと思ったら本気で連日飛行訓練をさせるとは念が入ったことだわ。
まあ、公然と宇宙飛行の訓練が出来ないのだからせめて戦技飛行訓練でもやってGに慣れておかないと仕方ないか。」
管制:「薄着基地滑走路クリアー、闇夜着陸誘導施設オールグリーン、リサ大尉機着陸せよ。」
リサ:「ラジャー、さてと着陸は初心忘れず、一歩一歩階段を踏みしめて降りる感覚で・・・
脚出しよし、高度100ft・・・タッチダウン、エアブレーキよし、減速・・・あっ脚・・・なんで!ぎゃあああ。」
管制:「メーデーメーデー、リサ大尉機着陸脚破損、機体は横転した。火災発生無し。レスキュー急げ。」

JAXSA・相撲原開発拠点

資材部員:「秋月教授、予告通り薄着で着陸事故が発生しました。間もなく素体が搬入されるかと思いますが準備は宜しいですね?。」
秋月教授:「おい、声が大きいぞ。言葉に気を付けろ。受け入れ準備なら万全だ。」
資材部員:「済みません。それでもこれでどうにか月面エネルギー資源探査が破綻せずに済みますね。
しかし頭部外装製作の連中が何故金髪かと大ブーイングしだしたときは本当に冷や汗ものでしたよ。
どうせ人工なんだから別に黒髪でも良かったのではないですかねぇ。」
秋月教授:「そうはいかんのだ。素体は月面に行くことは承知しているのだが、脳だけで行くことはまだ知らない。
目が覚めて鏡を見て、いきなり黒髪になっていたらショックが大きすぎて本当に発狂するかもしれん。
なにしろ元々一度は裁判でキチガイと認定された、いわく付きの宇宙飛行士なんだからな。」
資材部員:「え、まだ知らないんですか?。暴力癖のある米軍人にそんなことして暴れられたら大変だ。」
秋月教授:「落ち着くまでは身体制御を外部コンピュータ管理にするから危険はないさ。
どうしても抵抗するようなら月に行ってから身体の自由を戻せばいい。
行ってしまえば補給と引き替えに働くしか無くなるからな。」

月面にて

改造おむつリサ

前作・「暴走おむつ飛行士」はこちら

あとがき
最近2Chの本スレで話題になったロリ顔二足ロボの件と、これまた最近ニュースになった”おむつ”リサ大尉が裁判所から精神鑑定を受けるよう命じられた件が突然結びついてしまいました。
悪名高い日本の裁判の遅さはよく知られていますが、アメリカでも2年も経って一審が終わっていないなんてこともあるのですね。
リサ大尉は娘と言うよりオバチャンですが、風貌と行動は萌えに値すると思います。
実際、ロリロボのボディにリサの首を付けてみたらかなりバランスがとれています。
でも凶暴なリサにこんな仕打ちをしたらあとが怖いかもw。


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