ショジョニア工大乱射事件

(北米連・愛国民兵会会長の牧場にて)
愛国民兵会会長:「するってえと、うちのサイボーグ娘に臨時講師を頼みたいってことだな?。」

ショジョニア工大教養課程主任教授:「そう言うことです。最近の学生の軟弱さは目に余ります。
このままではわが北米連はじり貧になってしまいます。そこで、愛国民兵会の方に活を入れて欲しいんです。」

愛国民兵会会長:「ふむ。主旨は解るが儂じゃあいかんのかね。
サイボーグに関する技術的な話なら確かにスージーが相応しいが、そう言う愛国教育や精神論の話なら儂の方が専門家だぞ。」

ショジョニア工大教養課程主任教授:「ごもっともです。ですが、なにぶん工大ですのでサイボーグの人気は絶大です。
それでスージーさんかリンダさんのお話なら学生達もより真剣に耳を傾けると思うのです。」

愛国民兵会会長:「ふむ、そういうものかも知れんな。うーむ、弱ったな。」

ショジョニア工大教養課程主任教授:「どうかお気を悪くせずお願いしますよ。」

愛国民兵会会長:「別に怒ってなんかいないわい。ただ、その日は北米宇宙局と次回飛行計画の打ち合わせがあるのだ。」

ショジョニア工大教養課程主任教授:「それではやはり無理でしょうか?。」

愛国民兵会会長:「時間的には厳しいところだが、国を守るには教育も大切だから何とかしたいな。
儂が勝手に予定変更を決めるわけにもいかんから、二人を呼んで相談しようか。ちょっと待ってくれ...」

スージーとリンダ@牧場

スージー:「会長、このご時世にお客さんとは珍しいですね。」

ショジョニア工大教養課程主任教授:「あ、私こういう者でして...」

リンダ:「まあっ!。名門工大の主任教授さんですか。そんな偉い先生が私らにご用ですか?。
あ、サイボーグに関することでしょうか。それなら私でも経験で判る範囲のことはお答えできますけどね。
難しい話はなるべくスージーさんの方にお願いしますよ。」

ショジョニア工大教養課程主任教授:「いえ、お邪魔したのは技術的な問題でではなくて、実は...」

スージー:「なるほど。お安いご用ですよ。私たちは体内に強力な計算機を搭載しています。
したがって用件を忘れる心配なんかありません。北米宇宙局との打ち合わせごときは私一人が行けば十分ですわ。
どうしても二人で話し合わなくてはいけない事項があっても体内通信機でネット接続すれば良いですし。
良い機会だからリンダにはそちらの依頼を引き受けて貰いましょう」

リンダ:「え、でも精神論なんて私が話すことじゃないですよ。メカフェチだからサイボーグに志願しただけで、愛国心なんてそんな。」

スージー:「別に難しく考えることはないわ。私らは生命維持装置が不完全なために苦労も多いし行動範囲も制限されてるでしょ。
工大の学生の中から将来生命維持装置の改良に取り組む者が出てくれれば利益は大きいのよ。
普段思っていることをストレートに出して、ハッパをかけてやればいいのよ。感銘を受ける者は必ず居るはずよ。」


(北米連・ショジョニア工科大学学生寮 落ち零れ学生・ソの部屋)
ソ:「ぶつぶつ。どうつもこいつも俺が貧乏だからってのけ者にしやがる。この国の富裕層はみんな強突張りの人でなしニダ。
ベンツもウォッカもコニャックもハゲタカファンドも何でも持っているのにまだ欲張って搾取することばかり考えている。
搾取した金で武器を買い、貧しい学生を僅かな奨学金で釣って戦場に駆り立て世界の資源を収奪し続けて居るんだ。
もはや全員処刑しかない。そうだ、俺が奴らを処刑して弱者を搾取から守ってやらなくてはならないニダ。
処刑を決行すれば俺も頃される。それでもいい。俺はキリストのように死ぬ。それでもいいニダ。やるしかない。ぶつぶつ。」


(北米連・ショジョニア工科大学講義室)
リンダ:「...このように残念ながら我が国の生命維持装置は不完全で、栄養摂取や造血が出来ないのです。
私たちはそれぞれ50人のHLAが合う仲間からの献血に頼って生命維持を行っています。
そのため宇宙で行動できる期間が著しく制限され、優れた耐G性能を持ちながら火星以遠に行くことが出来ません。
わが愛国民兵会には志願者が十分にいるのに、特別に選ばれた者だけしかサイボーグになることが出来ません。
スージーさんと私のたった2人きりなのです。どうしてこんな事になってしまったと思いますか?。」

学生:「軍事予算を石油やヘリウム3確保のため優先的に使ったので予算が足りなくなったのだと思います。」

リンダ:「表面的な事実はその通りよ。でもその背後にはもっと根深い問題があったのです。
軍の技術者達が政治的な非難を怖れて、サイボーグ技術を真剣に開発しなかったのです。」

(ドギューン、ドギューン...)

リンダ:「騒々しいわね。隣は何をやっているのかしら。」

学生:「リンダ先生、あれは銃声です。何か危険なことが起きています。」

リンダ:「ああ、銃声ね。ここは北米連なんだから、銃声なんてしょっちゅうしてるでしょ。
いちいち気にしていたらきりがないわ。講義を続けますよ。」

(隣の講義室)
ソ:「...」(ドギューン、ドギューン...)

老教授:「この扉は開けさせないぞ。みんな早く逃げろ。窓から逃げるんだ。ぐえっ、うっ、くっ、これまでか。」

ソ:「...」(ドギューン、ドギューン...)

学生:「ぎゃあぁぁ。痛ぁい。」

ソ:「...」(ドギューン、ドギューン...)

学生:「ぎゃあぁぁ。ごふっ。」

この女子学生:「(逃げても間に合わないわ。死んだふりしかないわ。ああ、でも私目立つからダメかも。
お願い、死んだと思って通り過ぎて頂戴...行ったわ、助かった。)」

(リンダの講義室)
リンダ:「技術の道を志した若者も、大きな組織に勤めるうちにいつしか官僚化し、往々にして目の前の事実より政治家の声を優先してしまうのです。
もし、軍研究所の人たちがそのように堕落していなかったなら、北米連が帝國の後塵を拝することなど無かったでしょう。惜しいことです。」

ソ:「そうじゃない。藻舞等富裕層が収奪しか考えないからだよ。藻前が噂のサイボーグ娘だな。
サイボーグになれるのは金持ちだけだよな。処刑する。藻前を処刑したら俺はキリストのように処刑されるだろうな。」

(ドギューン、ドギューン...)

ドギューン、ニダー

リンダ:「私に拳銃が効くわけないだろ。何がキリストよこの基地外。
そんなに磔にされたいならわたしがやってあげるわ。ほい、あ、しまった力入れすぎた。」

ソ:「ぐぎいぃやぁぁぁぁニダ。」

リンダ:「あーあ、左腕もげちゃった。これじゃ磔に出来ないわね。もう仕方ないから四肢全部もいじゃいましょう。
どうせ正当防衛なんだから構わないわよね。プチプチプチッと...」

リンダ、あっさり犯人を処刑

ソ:「ぐぎいぃやぁぁぁぁぐぎいぃやぁぁぁぁぐぎいぃやぁぁぁぁニダ。処刑ニダ...がくっ。」

リンダ:「アクシデントがあったので話題を変えましょうか。あなた方はこの出来事をどう思いますか?。」

学生:「やはり銃規制が必要だと思います。」「脳波をチェックして安全装置が働く銃とか。...」

リンダ:「そんな政策は決して採用されないでしょう。市民の武装権は最優先される基本的権利です。
かつて東アジアの自称海軍大国が我が国に戦いを挑んできたことがありましたが、ひとたまりもなく撃滅されましたね。
かの国では、権力者が自らの保身のために検地刀狩りという政策を採って、市民の武装を規制していました。
そんな政策を採れば、市民を徴兵しても武器の扱いを教えるだけで大変な手間がかかりすぐ兵士として使えません。
平時においても市民を常在戦場の状態とし平素から鍛えておくことは、わが北米連の国是なのですよ。
あなた方も、国が自分を守ってくれるかではなく、自分が国を守れるかを考えなさい。
油断していたら世界中から不法移民が押し掛けてきて飢餓の国になってしまいますよ。
これで講義を終わります。」

学生:「質問。どうしたら貴女のようになれますか?。」

リンダ:「完全な生命維持装置を開発しなさい。それが唯一の方法です。」

おわり

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