満漢人民共和国の月面建設作業員

満漢人民共和国は、帝国ー北米連大戦後の食糧難を乗り切るため「達磨ッ子政策」を採った。
即ち、一人っ子政策に違反して出生した無戸籍者等の立場が弱い者を標的に、四肢切断を行って代謝量を削減し切断した四肢を食肉として供出させた。
当初は、帝国経済特区にて標準の能動義肢装着手術を受けさせていたが、対象人数が多いためやがて予算不足に陥った。
このため、特区のメタロリホスピタルに協力を求めて、3交代制労働者を対象に9人で4組の義肢を交代で使わせる共用化を図った。
帝国に無断で義肢の仕様変更を行うことは不可能なためこの目論見は頓挫しかけた。
難航の末、高度な技術力を有する出稼ぎ科学者酉山の尽力により、帝国製品に手を加えず共用化に成功した。
北米連月面基地補給船の安全航行を巡る裏工作の見返りに月の裏側の開発権を得た満漢人民共和国は、直ちに基地建設作業船を送り込んだ。
達磨ッ子政策で生産された達磨娘が、酸素消費量が少ないという利点を生かして月面で作業に当たる建設労働者に投入されることになった。
月面作業は24時間3交代で休み無く行われるため、義肢数削減分貨物重量が減る義肢共用者の第一陣がこれに回された。
万事合理的な満漢人民共和国は、達磨娘達を月への移動中及び現地での休息中は四肢を外し全裸で船倉の安全カプセルに収納していた。
達磨娘達は、肩関節と股関節の離断面に磁気吸着させた混信防止用断端キャップについたリングに掛けたフックで磔状態に固定された。
排尿は尿道カテーテルを挿しっ放し、食事は排便が10日に1度で済む特殊流動食のみという待遇であった。
この過酷な扱いから、達磨娘や作業船員の間では達磨娘が収納された船倉を蛸部屋と俗称していた模様である。

満漢人民共和国 月面基地建設作業船内の蛸部屋

満漢式 月面作業服(剛体宇宙服)

満漢人民共和国では、月面基地建設作業員が達磨娘であるという特性を生かして胴体と頭部のみを収容する専用作業服を開発した。
改修が困難な帝国製の手足は月面作業服外部の磁性球体に吸着させて使用することになった。
肩関節と股関節の離断面支持架を貫通して手足の吸着部まで制御電波を伝える導波路が設けられている。
手足の動力を変更するのも難しいため太股にサポーター様の酸素供給筒を付けて燃料電池を動作可能とした。
肩関節と股関節が作業服の外にあるため作業服自体の柔軟性は不要となり、剛体構造が採用された。
低重力下で元々常人より力のある帝国製義肢を付けるため重量を気にせず堅牢な構造とした。
堅牢なため耐圧性に優れており、内部気圧は1気圧とされて交代時の気圧順応が不要となった。
耐放射性も良く、ペルチェ素子を用いた強力な空調が付いているためアンダーウェアは不要とされた。
このため、達磨娘は全裸で作業服後半部に収められ、前半部が上からボルト締めで取り付けられる。
底部には排泄物吸入口が設けられているため、通常宇宙服のようなおむつの装着も省略される。
但し、これは小さいながら重力がある月面を前提とした運用であり、無重力下では排泄物が浮遊して大変なことになる。
達磨娘の待遇は過酷だが、内部両脇に2時間分の予備酸素ボンベも搭載されるなど、安全性だけは十分に配慮されている。
月面活動中は、上にガラスのドームが付いた金属の箱から、太股を除き裸の手足が生え、裸足にサンダル履きというシュールな姿となるが、万事実利一点張りの満漢人民共和国は全く気にかけていない。
サンダルは月面の埃に沈まないようフラットな厚底である。

満漢人民共和国 月面建設作業服の装着


満漢人民共和国 月面進出記念切手のデザイン

見る角度により、剛体宇宙服と義肢が隠れて全裸達磨娘が現れる、ホログラムを利用したアニメ切手である。
ホログラム切手の手法は、かつて北米連が初の月着陸を記念して発行したもののパクリという説もある。

満漢人民共和国 月面進出記念アニメ


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