マサと真理亜は
別邸
からリモートボディを降ろし地表開拓作業に取りかかった。
別邸直下の青の公家領は帝國宙軍が第1期金星冷却作戦で重点維持水面に選定した3大クレーターの一つに面していた。
重点維持水面においてはクレーター1箇所当たり年間80個もの5万d級氷隕石が投下され中央部には極低温の大氷山が形成されていた。
クレーター中心で生じる強い下降気流によって周囲にも冷気が拡がり、周辺100`圏の気温は80℃程度まで低下していた。
このためごく狭い地域に限ってであるが陸戦用重装甲ボディをベースにした耐高温リモートボディならば地上作業を行うことが出来た。
金星大気は酸素含有率が極めて低いため原型と同じガスタービンや内燃機関は使用できないし、高温のためプルトニウム電池も使えない。
リモートボディの動力は蓄電池のみであり、2時間ごとに格納ドームに戻って風力発電機で充電する必要があった。
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