スレイブ共和国連邦の素体

 人口の割に地上資源に恵まれた大国ス連は、宇宙開発においても安定性に定評のあるローテク有人船・スユーズを擁して宇宙観光分野で一定の実績を残してきた。
そのためか、あるいは過去の独裁時代における人権問題が尾を引いていたこともあって機械化改造人間の開発には慎重であった。
帝國のサイボーグ技術が公然となった後も、火星大工場核査察船に便乗した観光事業で収益を計るほかには目立った動きがなかった。
だが、隣国・満漢人民共和国が達磨っ娘政策を一層進化させた接栓娘政策によりメインベルト資源の完全収集を企図したことはさすがに座視できなかった。
さらには地上最強の軍事大国・北米連が人工ブラックホールを用いた重力傾斜推進実験を火星で実施すると主張し、新方式による機械化改造人間を投入してくるに及んで対抗策を打ち出さざるを得なくなった模様である。
その気になればス連は素体資源に関しても恵まれた国であった。
農奴制から一党独裁制という列強中で最長の無人権時代を経たス連は、スポーツや伝統芸能における過酷な育成環境を今も保っている。
人権無視のトレーニングに耐え抜き、スポーツ英雄やボリショイエトワールといった特権階級の地位にたどり着いた娘らにはただ一つだけ怖れるものがあった。
それは寒冷地民族の血、という宿命である。
即ち、どれほど厳しく磨き上げられた体であっても25歳を超えたとたんに始まる急速な肥満から逃れることだけは難しいのだ。
一党独裁時代であれば特権的年金で引退しても一生安泰だったところであるが、現在においては引退=転落である。
元々密かに薬物を使った身体改造を受けてきた者たちであるから、さらなる改造に手段を選ばない下地も出来ていた。
それがため、この国はあらためて訓練する必要のない適齢期の素体志願者を多数確保できた。
さらに好都合なことにこの国では独裁時代に宗教勢力が一掃されていたからサイボーグへの反対感情は希薄である。
あとは技術開発あるのみだ。

ス連の素体1号・エレナ

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