操艦勤務中の操舵員・星見中尉

光速の10%を超える恒星間航行艦では操舵員の視覚が死命を制する。
このためトップクラス操舵員の間では大脳視覚野増強処置が流行し、透明なサファイヤ頭蓋の娘が多い。
最精鋭搭乗員を配置されたバックアップ艦”ぐりーんらんど”には当然トップクラスの操舵員が配置されている。
バックアップ艦ぐりーんらんどに勤務中の操舵員・星見
宙軍勤務規則では、放射線防護のためスキンヘッドの娘は耐放射仕様のかつらを着用して乗艦することになっていた。
ところが恒星間航行艦では、髪が集中の妨げになるといって、操艦用獄門台に首をセットする際にかつらを外してしまう操舵員が多かった。
一説には、耐放射人工毛髪による減衰がヘッドフィギュア眼球から大脳表面の無線LANタップへの伝達を遅らせる懸念からとも言われる。
巨大なヘッドフィギュア眼球の電波強度は減衰を考慮して設定され、耐放射人工毛髪の吸収帯とは波長も異なるからこれは誤りだ。
しかし、いつしかヅラ外しはトップ操舵員の気合いを象徴する風習と化してしまっていたようだ。
もちろんこれは軍紀違反であるが、あまりとやかく言う艦長はいなかった模様である。
もともと耐放射外装に関わる規則は2000トン級小惑星資源収集艦が主力の時代に定められたものであった。
小さな宇宙塵が衝突しても貫通しないよう厚さ10メートル以上の装甲を持つ恒星間航行艦では、あまり意味のない規則だった。
安全面よりも、スキンヘッド流行による艦内風俗の乱れを予防するために残されてきたと解釈すべきであろう。
精神的な規定だから、気合いに押されて例外を認めてしまう風潮もやむを得ないことであった。
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