練習恒星間航行艦”ぐりーんらんど”の前部船体
恒星間航行艦前部船体
 恒星間航行艦隊編成に向けた量産に先立って、乗員の訓練と選抜に用いる練習艦が建造された。
全く新しい艦種のため帝國宇宙艦命名規則が改定され地球上の大きな島の名が使われることになった。
新命名規則には全地球の島嶼民を代表して他星系への版図拡張を目指す意図が込められている。
地球最大の島グリーンランドの名を冠することになった1番艦は、直ちに乗員候補の訓練に投入された。
操縦装置を兼ねたヘッドフィギュアは、サイボーグ操舵員の首を直接設置する新構造となり大型化されている。
高速航行中に遭遇した小障害物を破壊するためのアイビームもビーム径50cm、出力1メガワットに増強された。
氷または金属質の小隕石を瞬時に蒸発させる威力があるが、発見しづらく蒸発しにくい石質隕石には不安が残った。
最も危険性が高いオールト雲空域では隕石が必ず氷を含み蒸気圧で石質部分も吹き飛ばせるとの仮説が頼りである。
重量1万トンの前部船体には不釣合いに大きいヘッドフィギュアも連結後の艦全体と比べ非常にコンパクトである。
従来のいわゆる”こけし艦”と異なり船体形状が円錐形となっているのは物体衝突時の衝撃をそらすためである。
円錐部に設けられた開口はバーニアの噴射口で、中間コンテナを多数牽引・推進して連結作業ができる推力を有する。
見えている噴射口は、手前が後進用、奥が旋回用である。8基の前部バーニアは操舵員の脳からアナログ直結される。
障害物発見から最短時間で回避が可能なよう、ディジタル処理による遅延を除いた代わりに初心者には扱いにくい。
乗員候補者訓練の手始めはこの操縦系を駆使して船体の連結作業を行うことであった。
ヘッドフィギュアの口はエアロック、前部バーニアとの間は搭載機格納庫や操舵員が交代時に使用する準備室がある。
前部バーニアより後ろは円筒形で、防護区画を兼ねた重水タンク2基の後方に艦橋や司令部の施設が配置された。
原子炉は緊急時に投棄できるブロックのみに搭載することになり、前部船体は非常用電池以外の電源を持たない。
円筒部の後面は中間コンテナと連結するためのレーザー誘導装置や磁気吸着装置、連結通路兼用エアロックがある。
前進用バーニアは連結中も使えるよう連結面の直前で側面から斜めに開口しており高速航行中は使用しない。

中間コンテナ


オプログ・第(6)話・練習艦  ケンタウリメインページへ戻る サイボーグ娘・矮惑星・フィギュアスケートSFサイト入り口へ
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送